脈絡

読み難い

旅の話

 

旅が好きで好きで好きだ。

 

昔、あるバンドにはまった時のように、かつて数学に夢中になった時のように。

 

ただひたすらどこかに行きたくて、毎日同じ時間に同じ場所に行かなくてはならないのが苦痛で学校が辛くなるほど好きだ。

 

あの開放感が好きだ。あの自由が好きだ。なんでも自分で勝手に決められるところが、無理して人に合わせなくて良いところが好きだ。あの孤独が好き、あの不安が、心の中に冷たい風が吹き抜けるような感覚が大好きだ。

 

足の向くまま 気の向くまま、ふらりと立ち寄った場所で出会ったもの、ひと、景色や言葉は、決して行動を起こさねば手に入れられなかったものであることに間違いはないのだ。

 

まだ会ったこともないのになぜかずっと知り合いのような感覚のするTwitterの旅人たち、会ったその瞬間から苦楽を共にしたかのような仲間になれる旅人たち。

 

彼らは人に良くされてきていて、人に良くする方法を知っている。人に良くすることにためらいがなくて、良くされることにも引け目は無い。なぜならその後誰かに返せば良いから。その関係性が好き。

 

彼らから聞く旅の話がすき。行ったことのない未知の場所の話、鳥肌の立つような素敵な話。

行ったことのある懐かしい場所の話、共通の話題、過去と現在の話。

 

これほど素晴らしいことを未だわたしは旅以外に知らない。

 

 

でも、それでもいつか飽きてしまうのか、それはそれは不安だ。

音楽のように、数学のように、別の大切なものを見つけて手放してしまう気もする。

 

だからそれまでちゃんと旅をして、旅のことを見ていたいと思う。

 

感情的に、ただそれだけの話だ。要するに旅が好き。それだけ。