脈絡

読み難い

居るための場所の話

 

ゴールデンウィークだから、実家に帰っている。

 

実家に帰るわけだけど、はじめの頃に比べるとなにか違和感の様なものが大きくなっている気がする。生活はわたし抜きでどんどん変化していくし、わたしの抜けたわたしの場所だったところは、もともとそんなのなかったのかもしれないけれどいまは埋まってしまったみたいで、どうにもすっぽりと綺麗にはまれる場所が無い。

 

当たり前だけどわたしが生活から抜けるから、わたし抜きで生活を回さないといけないわけで、そうすると誰かがわたしの役を演じているんだろうけれど、いつのまにかそれが普通、それが当たり前になっているんだろうな。

 

いずれはどっちにしろ実家を出るから、これも当たり前のことなのかもしれない。

 

だけどなんだか、段々と実家でさえ旅館の様に感じられる様になってきたのがなんとなく自分としては怖い。学生会館の部屋は言うまでもなく家ではなく、あれはあれで永遠にホテルの部屋のままだ。それなのに実家が旅館なら、わたしの帰るべき場所はどこなのだろう。これも全てがわたしの感じ方の話で、多分こっちの人たちは殆ど変わっていないのだろうと思うけれど、それにしても感じ方が変わったのなら、居心地が変わったのなら、完全にリラックスすることなんて出来なくて、それでちょっと動揺してたりする。

 

居る場所が無いなぁ、と最近思う様になった。

家とか、部屋とかは完全にプライベートで、わたしの空間なのになんとなく落ち着かなくて、その他どこにいつも居るかというと学校なわけだけどまぁあのクラスで落ち着けるわけもなくて。

どこに居れば良いんだろうなぁ。

 

学校の外に出て、いろんなイベントとかにも行っていろんな人と出会ったけれど、まだまだあそこがホームというわけにもならずに行く度に緊張を味わう。楽しいことには楽しい、それはそれは楽しい、けれどその後に残るのが疲労とそれから虚無でしかないことをわたしはすこし前知った。

 

わたしは影の暗いところを見てしまっているのだと思う。見なくても良いところを。いろんなもの、全てのことや関わりの向こうにある虚無がよく見える。なんとなく全てのものは虚無に収束するんじゃないかとかも思ったりする。

 

ものすごくネガティヴ。いけないいけない。でもまあ虚無が悪いものとはまだ決まったわけでもないとわたしは思うのね。ここまでわたしは未定義のまま虚無という言葉を使ってきたわけだけれど、なんとなくネガティヴな方向で使っている。なんとなくだけど虚無って何にも無い感じの、悪く言えば喪失感とか絶望とかと関わっている様なものなんだろうと思う。しかし。それも良く言えば、リセットの様なもので、新しくまたやり直す意味合いもあると思う。リセットというのをわたしはとても大切にしていて、例えば溜息とかは悪い様に捉えられがちだけれどわたしはあれはリセットだと思っていて、切り替えをできるから別に悪いものじゃないと思っている。捉え方の問題だろうな。

 

ひとりひとり違う世界を見ている訳だし、それがその人にとってなにを及ぼすのかも人によって変わるから、全部のことは自分の心の持ちようなんだろうな。だから居る場所とかも、自分がここだと思えば、またはここが良いと決めれば、できるのかもしれない。無いとか言ってるなら作れば良いんだろう。いつまでも受け身で居るよりもそっちの方が楽しそうだし。居る場所がいつまでも同じである必要なんてきっとないし、いろんな所に点々と居場所があればなんだかそれがいちばん楽しそうだよね。楽しいことを居場所にしたい。居場所が物理的な場所である必要も無い。人でも、ものでも、空気とか雰囲気とかでも、居場所にはなり得るだろう。

 

広く考えたいね。 良いことを、自分にとって楽しいことを自分のものにしていきたい、それをわたしの居るための場所にしたい。